チンチラとは

chinchilla  げっ歯目のチンチラ属に分類される南米のアンデス固有の動物で、乾燥、寒冷な高山に棲息しています。本来、夜行性で、明け方と日暮れ頃に最も活発に活動します。性格は非常に臆病で、驚かすと人を噛むことがありますが、その一方、ストレスに弱く、神経性のショックにより死亡することもあります。一般的には賢く、好奇心旺盛でいたずら好きです。
 完全な草食動物で、ウサギと同様に繊維質を盲腸にためて腸内細菌に発酵させ、消化・吸収します。

環境

 一般的に単頭飼育でも複数飼育でも問題がありません。チンチラは非常に活動的な動物で、木登りや跳ね回るのが好きで約1mも跳ね上がることが可能です。そのため、飼育には広くて高い場所を必要とします。例えば1頭の場合、横80-100p、高さ約100p、奥行き約50pのケージがよいでしょう。ケージ内にいくつかの段差をつけるとよいです。隠れ場所として1つ、遊び道具としてさらに1つの巣箱があるとよいでしょう。噛癖が強いので、巣箱を齧ったり、歯の磨耗のために定期的に軽石(チンチラストーン)や木の枝などを与えるとよいでしょう。

温度、湿度

 チンチラを高温環境にさらすと耳介が充血し、ぐったりします。このような状態になったら即座に室温をさげる必要があります。約25.6℃以上の環境では熱射病になり、死亡することもあります。エアコンなどを利用して温度の調節をすることが理想です。一方、乾燥環境であれば寒さにはかなり耐えることができます。湿気にはとても弱いので、高温多湿は避けなければいけません。したがって、梅雨と夏は注意が必要で、換気の良い直射日光を避けた静かな環境にケージを置きましょう。給水ボトルの水漏れなどで、床が濡れないような注意も必要です。

食餌

 完全な草食動物で、野生の食餌は草の茎、根などで、低カロリー、高繊維で水分の少ない植物を食べています。水分の多いものには適応できず下痢や軟便がみられます。基本的に、チンチラ専用ペレット、牧草や乾草、水分の少ない野菜を常に与え、時々種子、果物をおやつ程度に与えるくらいでよいでしょう。チンチラは手で持って餌を食べるので、ペレットは持てるような大きさが理想的です。チンチラ専用ペレットの入手が困難である場合はウサギまたはモルモットのペレットを代用します。多くのチンチラがレーズンを好み、便秘の予防にもなるといいますが、節度を保ち週に3-4粒までにしましょう。

飲水

 チンチラは野生では草露や岩場などに結露した水滴を舐めて水分を摂取し、飲水を積極的に行いません。飲水を行い、水分の多い野菜を多給した場合、軟便や下痢をすることが多いです。野菜からも水分を吸収できるので多給したときは飲水を加減しましょう。主食がペレットの場合は一応水を与えます。水が不足すると採食量が減少することもあります。

接し方

 臆病でありながら賢く、ストレスを感じやすい動物です。びっくりしない程度なら抱いてあげてもよいでしょう。
 被毛は約3ヵ月間隔でほぼ全身の毛が抜けかわります。チンチラ自身が毛繕いすることで舐めとってしまうことが多いですが、毛が消化管に貯まって毛球症になる可能性があります。その予防のためにブラッシングをしてもよいですが、優しく行わなければ大量に脱毛してしまいます。野生では皮膚の余分な分泌物を取り除くために、火山灰で砂浴びを行っているので、飼育下でも毎日行うことが理想です。市販されている専用の砂を使用し、目安として1日に約30分間寝返りをうって動き回れるぐらい深い容器に入れます。専用の容器も市販されていますし、梅酒瓶などを利用してもよいでしょう。砂は清潔な物に取り替えてください。砂浴びで被毛の状態を整えるのでシャンプーをする必要はありません。

こんな時は早急に来院して下さい

●下痢している
 ウサギと同様には草食動物で、植物を腸内細菌が発酵させて消化する仕組みを持っています。したがって、下痢をすると悪玉菌が増加し、毒素を出し体全体の調子を崩します。また、チンチラは野生ではほとんど水分を採らない動物です。水分の多い野菜を与えたり、食餌内容を急に変えても下痢しますので、注意して下さい。食餌を戻しても改善がなければ原因を調べるために糞便検査などを行い、早急に治療を行う必要があります。
●食欲がない
 自然界では20年以上生きる、長生きな動物ですが、捕食動物であり、食欲や元気がなくなると、天敵に食べられてしまいます。したがって、食欲がないということは死んでしまう可能性が高いです。原因を調べるために、血液検査、X検査などを行い、早急に治療を行う必要があります。