ウサギは一生涯完全草食性で、繊維質を消化するために咀嚼、発酵、吸収以外にも食糞という二重消化機能を持つことが特徴です。ストレスにより、食欲、繁殖、排泄などに顕著に影響するのも大きな特徴であり、慢性的なストレス(病気による不快感、悪環境、栄養のアンバランスなど)により、基礎代謝の亢進、血糖値の上昇、心拍数や呼吸数の増加、血中の酵素濃度の上昇などが見られ、生理的異常や慢性的な感染症を発症させます。ウサギの病気が治りにくく急死しやすいのはこれらのことが原因しています。
 野生では被捕食動物で、天敵から逃避するために、特殊な機能が発達しました。例えば、骨質が薄く体重を軽くし、後肢の筋肉が発達し、跳躍力が優れています。耳介は大きく集音効果に優れ、眼球も頭部の側方に位置し、周囲を常時観察することが可能で、逃走するために進化してきました。

(1)食糞

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硬便(左)と軟便(右)
 ウサギの糞には硬い硬便と、柔らかい軟便(盲腸便)の2種類が見られます。結腸では消化できない繊維質を硬便として排泄し、一度で消化吸収できなかった栄養素(蛋白質、ビタミンBなど)を軟便として分離する「結腸分離機能」を持ちます。軟便は「食糞」として再び口から摂取し、胃腸で消化する仕組みを持ちます。軟便は水分が多くて柔らかく、高蛋白質、高ビタミン(VB12、パントテン酸、リボフラビン、ナイアシン)です。ウサギは噛まずに軟便を食べます。

(2)有色尿・カルシウム尿

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尿中のカルシウム結晶の沈渣
 ウサギの尿は、生理的有色尿であり、色は黄色〜茶褐色で白濁した不透明です。尿色は同じ食餌を摂取していても、代謝の状態によって変化することがあります。イヌ、ネコは体内の余剰なカルシウムが胆汁から腸を経て糞から排泄されますが、ウサギは尿から排泄される仕組みを持っています。また、ウサギの正常尿はアルカリ性であるために、炭酸カルシウムなどの結晶を形成しやすく、そのため尿路結石が好発します。極端な場合は尿が泥状になり、膿のようにみえることもあります。膀胱炎や腎不全などでも尿の色が変化することもあるので、鑑別は尿検査が必要となります。

(3)小切歯・常生歯

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小切歯
 ウサギは計28本の歯を持ち、切歯と臼歯に分けられます。 上顎の切歯は4本で、大きな切歯の裏に小さな歯が一対並んで生えています。この歯はウサギに特徴的で、「小切歯(peg teeth)」と呼ばれています。ウサギは草食動物で、繊維質を咀嚼するため、全ての歯根に歯を形成する細胞が分化し、生涯成長を続けます。このような歯を「常生歯」と言います。