カメは特殊な進化を行ってきた動物で、解剖、生理などを哺乳類はもちろんのこと、他の爬虫類とも異なる点が多いです。

(1)甲羅

 カメは項甲板から臀甲板までの直線の長さである甲長で、大きさを表します。甲羅は背側の背甲と腹側の腹甲に分けられ、左右の骨橋によって接合されています。ヌマガメ科のカメの背甲は、基本的に椎甲板が5枚、肋甲板が4対(8枚)、縁甲板が11対(22枚)、臀甲板が1対(2枚)または癒合して1枚です。腹甲はそれぞれ1対(2枚)で喉甲板、肩甲板、胸甲板、腹甲板、股甲板、肛甲板があります。甲羅は骨で形成され、その上を角質の甲板(角質板)が覆っている構造です。角質の甲板が組み合わさる継ぎ目は、微妙にずれていて、強固を増しているのです。

(2)外気温動物

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日光浴を行っているクサガメ
 爬虫類は外温性の動物です。外温性とは体内の温度調節を行わず、体温を外気温に依存し、カメは体温を上昇させるために、日光浴を行い、上昇すると日陰に避難します。これを日光熱性ともいいます。爬虫類には至適温度があり、種、季節、日内変動によって異なる場合もあります。爬虫類はこの温度域で生活することにより、代謝を維持し、消化、免疫における抗体の産生の調整を行います。したがって、飼育下でもその温度域を確保することが重要で、この温度を保てなければ、致死的な経過をたどります。

(3)紫外線

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爬虫類専用フルスペクトルライト
 爬虫類に対しての照明は、活動や食欲を刺激したり、繁殖や冬眠を調節するなど、生理活動に不可欠なものです。光のなかでも、特に紫外線は爬虫類(特にトカゲ類、カメ類)において食餌のカルシウム吸収に必要なビタミンD3の合成に必要です。紫外線はUVA、UVB、UVCに分類され、このなかでもUVB(下記表参照)が爬虫類にとって最も大切です。飼育下でも屋外で日光浴を行えれば理想ですが、寒い冬季では保温が困難になります(屋外飼育では多くのヌマカメが冬眠することになります)。したがって、屋内飼育では必ずフルスペクトルの爬虫類用の蛍光灯を使用することが推奨されるのです。なお、ガラス越しの日光浴は紫外線の多くを遮断するため、効果が激減するので注意して下さい。
表:紫外線の分類と役割
UVA (320-400nm) 脱皮促進、食欲増進
UVB (280-315nm) ビタミンD3生成、色素沈着
UVC (100-280nm) 殺菌作用、紅斑作用(日焼け)

(4)冬眠

 過酷な環境に陥ると、代謝を抑制させる目的で冬季には冬眠という手段をとります。本邦では、ヌマガメの多くは約10-11月頃から4月まで冬眠します。しかし冬眠は不健康な個体、幼体は冬眠中に死亡するものが多いため、飼育下では、保温して越冬させるほうが理想とされています。一般的にはミシシッピィアカミミガメと比較してクサガメ、イシガメの冬眠の失敗が多くみられます。冬眠は屋外飼育の個体では、保温が困難であり、多くが冬眠を行うことになります。体力などを消耗するため、冬眠前には体重増加、そして脂溶性ビタミンの補給が絶対条件であり、レバーなどの動物性蛋白質、ニンジンやカボチャなどの緑黄野菜を多給します。

(5)雌雄鑑別

 ヌマガメでは一般的に雌のほうが大きいです。そして、腹甲の凹では、雄はへこんでいるが、雌はへこんでいないものが多いです。尾では雄は長く太く、総排泄腔が背甲の外側に位置し、雌は短く細く、総排泄腔は背甲の内側に位置する個体が多くみられます。ミシシッピィアカミミガメやニシキガメなどのカメは、成熟すると雄は前肢の爪が長くなり、交尾期にはこの爪を雌の前で小刻みに震わせて求愛行動をとります。雌が大きいと雄は強引に雌を押さえ込んで交尾することはできないからといわれています。